鬼経理百の掟 其之弐拾七「利益とキャッシュ・フローは経営の前提である」

masaです。本日は、経営面の内容になります。企業理念やビジョンも大切ですが、利益やキャッシュフローの積み上げは、それらを実現するための前提として必要になります。

企業は、複数人が出資金を運用し、成果しての剰余金を出資割合に応じて各出資者に分配することを目的としています。

もちろん、企業としての存在意義は理念で明らかにされ、通常、そこには利益の金額などありません。

しかし、理念の達成のためには、利益をあげつづけることが必要となります。

損失がつづけば、いずれは出資金を食いつぶしてしまいます。

「ウチはがめつくないので、毎年トントンぐらいいいんですよ」

それでは何のために起業したのかわかりませんし、利益をあげることイコールがめついわけではないのです。

利益をあげるということは、社会に対して価値を生み出していることになります。収支トントンというのは、単に通過地点にすぎないということです。通過地点でよいのでしょうか?

利益も、、全部配当せずに、積み立てていく(内部留保)ことで設備投資などの将来発展のための原資が生まれます。

内部留保にも課税するという物騒な法案もあるらしいがどうなったのですかね?

結果的にトントンになることが続くこともあるでしょうが、最初から目指すものではありません。

「赤字だと銀行の融資が下りないし、かといって税金たくさん払いたくないので、ぎりぎり黒字にしたい」

これは、決算政策とは言えません。不必要に多く納税する必要はありませんが、納税とは適法な範囲で合理的に最小化するものです。

「節税」と言わず、「適税」というべき。

本来の「節税」とは、無理やりモノを買ったりして利益水準を下げてしまうことではなく、税制を緻密に調べ、自社に適合する税額控除(税制上の特典)を探すことです。同じ利益水準に対して税金費用の割合(表面税率)を下げるのが本来の節税なのです。

利益を抑えるために無理やり不要不急の、将来の利益増大に何ら貢献しない買い物などするのは望ましくありません。

納税資金に苦慮する事情はあるでしょう。それも、早めに年度の利益予想を立てることで、早めの資金準備が可能となります。決算を1年分まとめて期末にやるのではなく、毎月きちんと処理していくということです。

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1965年生まれ 会計士試験に5回挑戦後、会計事務所に就職、現在は一般企業の経理職を20年と経理一筋に生きてきた、さすらいの会計人(びと)。 会計で社会の未来を変えることを信じている。 内向的な性格を損だと思って生きてきたが、今では独自の世界観を築くことができた(と自分では思っている)のはひたすら自己に向き合ってきたからだと確信している。 音楽は高校時代から聞き始めたモダンジャズ一筋、手塚治虫の漫画やスティーブ・マクイーン、最近はダニエル・クレイグに憧れている。