鬼経理百之掟 其之参拾壱「発注漏れにはきをつけよう」

masaです。久々の投稿となりました。今回は、高価なシステムを導入しても発注漏れは防げないという話になります。

会計システム、仕入れ購買システムを導入したとしても、発注情報を正確に登録しなければ意味がありません。

システムは、登録した情報を漏れなく履歴保存してくれます。人間の記憶ではアテになりませんが、一度、登録しさえすれば記憶容量の限界までは保存してくれています。メモやノートに書いたり、エクセルに入力したりして、メモが散逸したり、エクセルを消去して半べそかいたり茶飯事なわけですね。

加えて、検索性も、ノートに書き溜めるよりは遥かに優れております。商品名、仕入先などの情報をキーに過去履歴を用意に検索できるわけですね。
「あの商品、何年か前にどっかからから仕入れたよなぁ。単価いくらだったけ?うーん、A社だったか?あそこのBさんとはよく麻雀やったよなぁ。ポン・チーが多くて忙しない麻雀で、、久しぶりに電話してみよう」「えっ、退職してたの?Bさんから何年か前にこの商品仕入れたんだけど、単価いくらだったか調べてもらえる?」「なに、そんな前の記録なんて無いだと?どんな会社やねん!」
キミも他所様のこと言えないよ。
商品名やコードなど正確に覚えてなくても、あいまい検索である程度は絞れるし。しかし、正しく登録されていてナンボなわけですよ。

購買担当Aさんは、仕入先と商談がまとまり、自席に戻り、入力担当の派遣Bさんにメモを渡そうと思った矢先に、別の仕入れ先から電話が入り、長電話中に終業のベルが鳴り、帰り支度の頃にはメモ渡すこともすっかり忘れ、いそいそと退社。Bさんも数日間は気にしてたがそのうちAさんが言ってくるだろうと放置。二人とも忘れたまま1週間が過ぎ、仕入先から電話。「Aさん、発注書いつくれるんすか!」キレ気味の先方の声を聞いてハッとするAさん。「Bさん、なんで言ってくれないんだよ!」と逆恨み。

実話かどうかは想像にお任せしますが、これではいくら高価なシステム導入していても何も処理が進まないわけです。

正式発注までに時間がかかる場合、漏れを防ぐために、エクセルなどのアプリで台帳を作り、引き合い時点で記録しておくことをするケースが多いかと思われます。これなら、データが共有化され、担当者が休暇だったりしても滞ることがないし、対応としては完全のように思われます。

しかし、これも、アプリに入力忘れたら終わりですので、完璧とは言い難い。

漏れ防止策としては、商談時に主担当者(上記例でいうAさん)と副担当者(Bさん)が同席し、副担当のBさんが商談後、自席で端末からシステムに登録する。副担当者は商談に参加はせず、決まったことだけメモしているので、事務能力に不安のある主担当者の場合には有効な仕組みといえます。

当社にはそんなに多くの人材は避けないよ、という場合。

商談の席に主担当者がシステムにログインしたPC端末を持ち込み、商談結果を主担当者がその場で打ち込んでしまう。なんなら、その場で入力内容をプリントアウトして持ち帰ってもらうことだってできます。
もちろん、社内決裁前なので発注書にはなりませんが、決裁見込み日が表示されていれば仕入先担当者も安心です。

さらに、EDI化して、仕入先とwebを介して受発注のやりとりをしてしまえば、発注書の送付も要らない(紙の出力が必要なら仕入先が自分で行う)。

 

 

 

 

 

ABOUTこの記事をかいた人

1965年生まれ 会計士試験に5回挑戦後、会計事務所に就職、現在は一般企業の経理職を20年と経理一筋に生きてきた、さすらいの会計人(びと)。 会計で社会の未来を変えることを信じている。 内向的な性格を損だと思って生きてきたが、今では独自の世界観を築くことができた(と自分では思っている)のはひたすら自己に向き合ってきたからだと確信している。 音楽は高校時代から聞き始めたモダンジャズ一筋、手塚治虫の漫画やスティーブ・マクイーン、最近はダニエル・クレイグに憧れている。