鬼経理百の掟 其之拾七「決算は期末月の前月より始まると心得よ」

masaです。今回より、番外編除き1日2回投稿(朝と夕方)となります。
経営層、中間管理職、経理担当に幅広くも読んでいただきたいと思っていますが、結果としていままでの記事は、読者のかた曰く、「仕事術」と称する内容が多かったように思います。これからは、経理業務を意識した内容も多く取り上げていきます。

今回は、「決算」の準備について。
「決算」とは、一定期間(通常、1年間)の企業の収益、費用、その期間の最終時点での資産、負債、純資産を確定することです。

確定した収益から費用を差し引くことで「利益」が算定されます。規模の違いあれども、会社は決算を行わなければなりません。例外はありません。決算をしないと申告納税ができません。一部の大会社等は、株主へから利益処分案の承認を受けられません。

上場企業等は、四半期に一回、業績等の対外公表をしないと上場を維持できません。決算を経ずに納税や開示はできません。

では、いつやるか?

会社の「決算月」は、「定款(ていかん)」(基本的な決め事をまとめた文書)に明記した「事業年度」(毎年〇月×日から翌年△月□日までの1年)の最終月を言います。

4月1日から翌年3月31日が多いと思われます。この場合、「3月決算」の会社ということになります。

月次決算制度を導入している場合は、最終月である3月度の月次決算が完了した後に、「決算整理」(資産評価、収益・費用の増減調整)という作業を行って決算が終わります。決算の最終成果物として「決算書」を作成、発行することになります。

説明が長くなりました。ここで、決算がスムーズに行われるために、大きく2つのポイントがあります。

1.「決算整理」を効率的に行うための準備

2.「決算整理」前の状態(4月~3月の会計処理)の水準を高めておく

1.はわかりやすいと思いますが、2。が何故必要か?

実は、決算の精度は、日々の会計処理の精度に依存しています。

3月最終月の処理だけ精度が高くても、4月~2月の11か月の精度が 低ければ、通期の決算精度は低くなります。

続きは次回。

ABOUTこの記事をかいた人

1965年生まれ 会計士試験に5回挑戦後、会計事務所に就職、現在は一般企業の経理職を20年と経理一筋に生きてきた、さすらいの会計人(びと)。 会計で社会の未来を変えることを信じている。 内向的な性格を損だと思って生きてきたが、今では独自の世界観を築くことができた(と自分では思っている)のはひたすら自己に向き合ってきたからだと確信している。 音楽は高校時代から聞き始めたモダンジャズ一筋、手塚治虫の漫画やスティーブ・マクイーン、最近はダニエル・クレイグに憧れている。