masaです。経理部門で働く人にはショッキングなタイトルです。
『ケースで学ぶ管理会計』(金子智朗著 同文舘出版)の 第6章 会計業務のあり方 の中で、ある社長の言葉が書かれています。
「会計は重要、重要って皆さん言いますよね。実際、当社でも経営会議や役員会の度に月次決算書が配られています。でも、あれ、私の仕事にはまったく役に立たないんですよ。なぜなら、決算書にもとづいて経営するというのは、バックミラーを見ながら運転しろといわれているようなもんですからねぇ」。(p223)
一生懸命仕事している経理部門にとって残酷な言葉です。
「じゃあ、月次決算書作るのやめますよ」と思わず毒づきたくなる。
そういう経営者も、月次決算に誤りがあったり遅れたりしたら、「どうなっているんだ!何やってるんだ、経理部は!」と怒るんですよ。
だから、経理部は役員会に間に合わせるように頑張って処理して、幹部からどんな質問が来てもいいようにレポートをこしらえて、万全を期して臨むわけです。
月次決算を行うのは、通期業績の着地予想のため等、欠かせない業務です。バックミラーと言われてもやることには変わりないです。
では、経営者の不満をどう受け止めるべきなのか?
経営者の不満は、月次決算書は過去情報の塊であって、自分が欲しい、これからの針路を判断するのに欲しい未来情報がないこと、にあります。
クルマだって、前だけ見てるわけではない、バックミラー見ます。F1はバックしないからバックミラー要らない?とんでもないです。後続車の状況を把握しておかないと大変なことになります。
月次決算が過去情報の塊であっても、必要であるのは事実です。経理部門である以上、やらなければならない。
では、どうすればいいのか?
月次決算は、多くは定型的な「作業」になっている。
「作業」から生まれるものには付加価値が生まれにくいのです。
月次決算をどうせやるなら、そこに管理会計の要素を加味していく工夫と努力が求められます。
従来の財務会計は、自動化、外部活用によって極力、省力化していき、創造的な業務に取り組むことが、これからの経理部に期待されることだということです。