masaです。某大企業で育休後直ちに転勤させて炎上しているようですね。今回は、会計ネタです。「増減明細(ぞうげんめいさい)」について。「増減明細」とは、勘定科目(さらにはその細分された項目ごと)の①期首残高、②当期増加高、③当期減少高、④当期末残高①+②-③=④となります。
「期首」=事業年度の最初です。3月末日を期末とする場合4月1日時点。
「期末」=事業年度の最後の日時点
「高」=金額
「残高」=時点での金額
預金を例にとると、
①期首残高 =期首の通帳の残高です
②当期増加高 = 通帳で、期首日から期末日までの入金額を合計します
③当期減少高 = 同上で、出金額の合計
④当期末残高 = 期末日の通帳の残高です
このとき ①+②ー③=④ が成立するはず。たいていの場合、②か③ もしくは両方の集計が誤っています。
逆に、等式が成立していても、②、③の両者が正しくないときがあります。それは、②と③が同じ金額だけ過大もしくは過小となっている場合。
過大となっているケースでは、入金と処理すべきを誤って出金としてしまい、いったん、その修正をするのだが、入金のマイナスとはできずに、入金の逆伝として「出金」を追加して、前の誤りを相殺する。そのあと、本来の出金処理を追加する。こうすると、誤った金額だけ入金と出金が両ふくらみとなります。
本来の入金合計、出金合計とかけ離れた金額が②当期増加高、③当期減少高 として集計されていることになります。
算数的には正しくても、増減明細としては正しくないです。桁違いミスを犯した例、1千万円の入金を1億円の入金と誤って登録した。上記のような補正により、9千万円も入出金ともに膨らみます。
残高が正しいから良いといえないでしょう。
② ③が複数項目の場合があります。
有形固定資産(設備等)の増減明細では、②当期増加高は、通常は、購入による増加のみですが、自社で工事していた設備が完成したときに、「建設仮勘定」から振替えられて増加するケースがあります。
③減少高は、通常は減価償却のみですが、廃棄・売却した場合にも減少します。よって、有形固定資産の増減分析は、期中の処理を上記のように要因別に分類集計する必要があります。
もし、これに上記のような誤りとその補正が加わると、分類が面倒になります。また、システムで補助コードを設けている場合に、補助の付け方を誤って入り繰ってしまうことも。固定資産の増減明細は、大会社では必須となっており、会計監査で不備が指摘されると即修正となるため、負荷が高い。
増減明細が正しく作れることが肝要です。