鬼経理百の掟 其之弐拾伍「経理部門の”現場監督”を育てよ」

masaです。長年の経理経験で得たものを言語化しています。業種や規模の大小を問わず、企業は、記帳~決算~申告納付の義務があります。決算については、企業によっては何もしなくてよい可能性もゼロではないし、現実に小規模の企業では、大企業が当たり前に行っている決算整理を一部省略しているケースもあるようです。

経理部門も、総務などの機能と一体化していたり、そもそも事務部門がなかったりすることもあるでしょう。

ここでは、ある程度規模の大きな企業で、経理部門が存在している企業を想定します。

専任の経理部長がいる場合に限定するものではありません。管理部長(人事総務経理を統括)の配下に経理事務担当が数名いるケースを含みます。

3名以上のチームで経理を行う場合を想定します。

チームを束ねる役割が1名かならず必要となります。全員が並列では成り立ちません。

経理部長(課長)1名 マネジメント+プレイヤー

経理部(課)員2名

部員2名の業務の棲み分けなどは部長が行います。各部員に1名ずす副担当者(派遣)がつく場合もあるでしょう。この体制で、部長が年12回の月次決算と年1回(上場なら4回)の本決算を指揮します。

「決算は税理士事務所にお願いしています」という場合は、税理士事務所に基礎データ提出のとりまとめ役+進捗管理役と置き換える。

①日程・進捗管理:期限を守る、納期品質の確保

②分担管理:重複・お見合いの防止、スキル共有、部員の動機づけ

③他部署、取引先との調整:情報入手の経路・品質確保

これって、住宅建築工事に例えると、工務店のやっている「施行管理」に近いと思うんです。

「経理部長」というと何やるのかイメージわきませんが、工務店ならイメージしやすいのではないでしょうか?

資材調達:③ 決算処理するための基礎データ

大工のマネジメント:② 業務割り振り、教育指導

工程管理:① 日程調整

ぴったり当てはまります

住宅建築で必要な「設計図を作る」に相当する仕事もありますが、今回は省きます。

工務店の行う「施行管理」とは、設計士の図面を元に施工図を起こし、調達した大工に設計者の意図を伝え、指揮し、納期までに住宅を完成させる

経理部長は、他部署等から適時適切に会計の 基礎となる情報を入手し、部員を指揮指導しながら、期限内に決算処理を終えること

参考サイト

http://cocochi-yoku.net/column/?p=4

ABOUTこの記事をかいた人

1965年生まれ 会計士試験に5回挑戦後、会計事務所に就職、現在は一般企業の経理職を20年と経理一筋に生きてきた、さすらいの会計人(びと)。 会計で社会の未来を変えることを信じている。 内向的な性格を損だと思って生きてきたが、今では独自の世界観を築くことができた(と自分では思っている)のはひたすら自己に向き合ってきたからだと確信している。 音楽は高校時代から聞き始めたモダンジャズ一筋、手塚治虫の漫画やスティーブ・マクイーン、最近はダニエル・クレイグに憧れている。