鬼経理百の掟 其之拾壱「記憶から記録へ、記録から帰属へ」

masaです。ちょっとわかりにくいタイトルで失礼します。人の記憶力がアテにならないことは周知の事実ですが、物忘れがひどくなり老いを感じるmasaにとって、いかに「忘却」と闘うかは重要な人生のテーマです。

実話となります。年4回作成する決算短信などの開示資料で、経営成績などの分析記述の書き方は、おおよそのパターンはあるものの、機械的に前回と全く同じにしにくい状況があったりもします。

担当者が悩みます。メンバで集まって検討します。とりあえず結論が出ます。

3か月後、また同じ議論を同じメンバで始めます。

「あれ?この話、以前にもしたような・・・」

議論の結果を誰もメモしてないんですよ。四半期毎に全く同じ議論してます。自分が管理者から外れたので、一切口出さずに見守ってみることにしました。

部外者からすれば疑問符が付く話なのですが、話し合って気が済んだ、その場の懸案が解決して満足した。このメンタリティで働いている社員が現実には存在します。

特に、管理者が交代して、新任者がユルユルだと、いままで緊張感をもって臨んでいた部下全員に負のメンタルが蔓延します。こうして組織は腐敗していくのですね。

「記憶」から「記録」へ

1文字違いですが、個人のあやふやな記憶よりは、簡単なメモ書きでよいので書き留める習慣がほしいです。必ず、「あのときどう決めたんだっけ?」ってなりますから。メモを回覧して次回の振り返り用に保管しておくだけのことです。

「記録」から「帰属」へ

「記録」することで、忘却リスクを回避できました。

記録をただ眺めているだけでは行動へのフィードバックは生まれません。

6w1hを整理した「記録」から、who(誰が)、for whom(誰のために)

を当事者本人が意識しなければ行動は生まれません。

全員が自律的に活動する組織なら、それだけでスルスル動きだしますが、メンバの動力源(ブースター)となる存在が必要となるでしょう。

また、実話になります。

masaが決算業務の現場監督(管理者)をしていた時期の話です。
分担表を早く渡しても忘れられてしまうので、本番直前に渡して、丁寧に口頭で説明し、本人の心に帰属させようと努力しました。

当日、見事に忘れられました・・・。もう、どうすればいいだよ!

その後、分担表の当日分をコピペして、「本日のto do」というメールを毎朝発信しました。

さすがにこれは全員見ながらやってましたね。

どんだけおもてなしせにゃならんのか!って話ですよ、じっさい。。

道のりは険しいですが、正しいことをやり続けるしかないですね。

ABOUTこの記事をかいた人

1965年生まれ 会計士試験に5回挑戦後、会計事務所に就職、現在は一般企業の経理職を20年と経理一筋に生きてきた、さすらいの会計人(びと)。 会計で社会の未来を変えることを信じている。 内向的な性格を損だと思って生きてきたが、今では独自の世界観を築くことができた(と自分では思っている)のはひたすら自己に向き合ってきたからだと確信している。 音楽は高校時代から聞き始めたモダンジャズ一筋、手塚治虫の漫画やスティーブ・マクイーン、最近はダニエル・クレイグに憧れている。